子どもの親権を変更することは、離婚後や特定の状況において重要な問題です。親権者変更をするためには、家庭裁判所の調停や審判が必要となります。このコラムでは、一般の方々にも分かりやすく親権者変更調停申立てについて解説します。子どもの福祉を最優先に考え、適切な親権者を定めるために知っておきたいポイントをご紹介します。
親権者変更調停申立ての概要・申立権者
離婚後に親権者を変更する場合は、家庭裁判所の調停や審判が必要です。調停が成立しない場合は、裁判所での審判が行われ、最終的な結論が出されます。 親権変更の申立て権限は、子どもの親族にあります。また、子ども自身も審判に関与することができます。 ただし、出生前に離婚し、出生後に父親を親権者とする場合や、婚姻していない親同士が合意して父親を親権者とする場合は、合意に基づいて届出をするだけで、家庭裁判所の手続きは不要です。
「子の利益のために必要があると認めるとき」とは
親権者の変更が認められるためには、「子の利益のために必要があると認めるとき」という条件を満たす必要があります。 裁判所は、親権者変更を希望する人の理由や現在の親権者の意向、これまでの子育ての状況、双方の経済力や家庭環境などを考慮し、さらに子どもの年齢、性別、性格、学校への通学状況、生活環境などについても詳しく調査します。 また、子ども自身の意見も尊重され、裁判所は子どもの意向を聴取することがあります。必要な場合は資料の提出を求められることもあります。 裁判所は、子どもの福祉を最優先に考えながら、情報を収集し、総合的な判断を下します。
親権者変更の届出手続き
親権者が変更された場合、変更をした人は、調停が成立した日から10日以内に、市区町村役場に親権者変更の届出をしなければなりません。 届出の際には、調停調書(審判の場合は、審判書と確定証明書)を提出する必要があります。調停調書や審判書、確定証明書は、変更手続きを行った家庭裁判所で入手することができます。
注意点として、親権者変更が調停または審判で決定されるまでは、変更手続きを行うことはできません。決定後に必要な手続きを迅速に行い、変更を正式に届け出ることが重要です。
未成年後見人選任申立てと親権者変更申立ての関係
離婚後、親権者が死亡、行方不明、精神障害などの理由で変更される場合、非親権者が自動的に親権者となるわけではありません。非親権者は親権者変更の審判の申立てを行う必要があります。審判によって、未成年者の福祉のために変更が必要であると認められた場合にのみ、親権者の変更が行われます。親権者変更の申立てが行われない場合は、代わりに未成年後見人が選任されることになります。
親権者変更と未成年後見人選任は別々の手続きであり、親権者変更が必要な場合には、審判の申立てが必要です。未成年者の福祉を最優先に考え、適切な親権者を定めるために、手続きを進める必要があります。
子どもの親権を変更する場合(親権者変更調停申立て)手続き
申立先
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所に申し立てます。
提出書類
親権者変更調停申立書
添付書類
- 申立人の戸籍謄本
- 相手方の戸籍謄本
- 未成年者の戸籍謄本
- 子1人につき収入印紙1,200円、郵便切手
関連法令等
民819•838一、家事42②、戸籍63①・79
申立先 | 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所に申し立てます。 |
提出書類 | 親権者変更調停申立書 |
添付書類 | 申立人の戸籍謄本 相手方の戸籍謄本 未成年者の戸籍謄本 子1人につき収入印紙1,200円、郵便切手 |
関連法令等 | 民819•838一、家事42②、戸籍63①・79 |
まとめ
子どもの親権者変更は、子の福祉を考える上で重要な手続きです。このコラムを通じて、親権者変更調停申立ての概要や手続き、関係する要点についてご理解いただけたかと思います。子どもの将来と幸福を守るために、適切な親権者の選定が求められます。専門家のアドバイスや適切な情報収集を行いながら、子どもの最善の利益を考慮した親権者変更に向けて進んでいきましょう。
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