子どもたちの明るい未来のために、障害児相談支援事業を始めようと考えている皆さんへ。事業をスタートさせるには、ただ情熱があるだけでは足りません。経済的な計画もしっかりと立てなければなりません。このガイドでは、そんなあなたをサポートするために、お金の話をシンプルに解説します。事業を成功させるには、素晴らしいサービスを提供するだけでなく、お金の管理も上手に行う必要があります。このガイドが、あなたの夢を実現するための第一歩となることを願っています。
障害児支援事業の報酬体系を簡単に理解する
障害児支援事業での報酬は、基本的に2つの部分に分けられます。一つは「利用援助」、もう一つは「利用継続」です。
利用援助とは?
これは、家族が事業所のサービスを初めて利用する際に、その決定をサポートする役割を指します。
利用継続とは?
一度サービスを利用し始めた家族が、そのサービスを続けるためのサポートを受けることです。
月あたりの計画数
- 1人の相談支援専門員が1カ月に扱える最大の計画数は39件です。
- 利用援助費Ⅰ: 1,620単位
- 利用継続費Ⅰ: 1,318単位
39件を超えると、報酬は下がります。
- 利用援助費Ⅱ: 811単位
- 利用継続費Ⅱ: 659単位
常勤と非常勤の違い
月に扱える計画数の上限は、相談支援専門員が常勤であろうと非常勤であろうと、39件と決まっています。しかし、スタッフに過度の負担がかからないように、運営を工夫することが大切です。
簡単に理解する収支計算法、障害児支援事業の計画立案
このガイドを使って、障害児支援事業の収支計算の基本を学びます。実際に事業計画を立てるときは、もっと多様な要素を検討する必要がありますので、ご注意ください。
事業運営の初期段階
最初の6カ月
費用をできるだけ抑えるために、管理者兼相談支援専門員1名と、会社役員で運営を始めることが良いスタートになります。
月の運営コスト |
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約46万円〜54万円(給与、家賃、光熱費、通信費、交通費など) |
収益のシミュレーション
39件の新規計画を立てる場合
- よい選択: 無資格の相談員を雇って事務作業を効率化
- 収入: 631,800円/月
50件の新規計画を立てる場合
- 考え直した方が良い: スタッフの負担増と離職の可能性が高まります
- 収入: 702,090円/月
30件新規計画と10件更新を行う場合
- 考え直した方が良い: スタッフの負担増と離職の可能性が高まります
- 収入: 551,900円/月
30件新規と30件更新を行う場合(常勤・非常勤スタッフで運営)
- 目指すべき方向: 複数の専門員を配置し、事業運営を強化
- 収入: 881,400円/月
障害児支援事業を成功させるには、慎重な事業計画とスタッフの適正配置が必要です。事業の収益性を向上させるためには、サービスの質とスタッフの働きやすさのバランスが重要です。
障害児相談支援事業での入金額について、変動要因の理解しよう
相談支援専門員が作成する計画数による入金額の変化
相談支援専門員は、月に最大39件までの計画を作成できます。この範囲内であれば、報酬は安定しています。しかし、40件以上の計画を作成すると、もらえる報酬が半分に減ってしまいます。
新規計画作成時
- 39件まで: 1,620単位/月
- 40件以上: 611単位/月
計画更新時
- 39件まで: 1,318単位/月
- 40件以上: 659単位/月
直近6カ月の作成計画数に基づくチェック
月に39件を超える計画を作成しそうな場合は、以下の方法でチェックをおすすめします。
- 直近6カ月の合計支援件数と平均相談支援専門員数を調べます。
- これらを割り算して、1カ月あたりの平均処理件数を算出します(小数点以下切り捨て)。
例えば、直近6カ月で180件を7人の専門員で処理した場合、1カ月あたり約25件となり、基本報酬Ⅰで請求します。一方、320件を7人で処理した場合は、1カ月あたり約45件となり、基本報酬ⅠとⅡを組み合わせて請求します。
加算による入金額の変更
様々な機関と連携して加算を取得することで、入金額を増やすことが可能です。より効果的な計画作成のためにも、積極的に加算を狙いましょう。
障害児支援での基本給付費について、いつ、どのようにして発生するか
障害児支援サービスを提供する際、特定の活動を行うことで基本報酬が発生します。ここでは、その条件とサービスの種類を簡単に解説します。
A. 障害児支援利用援助(サービスの開始サポート)
サービス開始前のサポート
- 障害児およびその家族との面談のため児童宅を訪問
- 障害児支援利用計画案に対する本人及び家族からの文書による同意の取得
- 家族への障害児支援利用計画案および計画の提供
- サービス担当者会議の開催や専門的な意見の徴収
報酬額
- 39件まで/1専門員: 1,620単位/月
- 40件以上/1専門員: 611単位/月
B. 継続障害児支援利用援助(サービス利用の更新サポート)
サービス利用更新のサポート
- 障害児または家族への面接など、児童宅を訪問
- 障害児支援利用計画の変更に伴う上記Aの手続きの実施
報酬額
- 39件まで/1専門員: 1,318単位/月
- 40件以上/1専門員: 659単位/月
まとめ
このガイドがあなたの夢の実現に役立ち、多くの子どもたちとその家族に幸せをもたらすことを願っています。障害児支援事業は簡単な道のりではありませんが、その分、与えられる喜びも大きいものです。心を込めて、子どもたちのために素晴らしいサービスを提供してください。