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離婚時財産分与と住宅ローンの扱い

author:dekkun
「財産分与と住宅ローンの扱い」とのタイトルの記載と、背景に窓辺にベージュのソファ、4つのクッション、同色ベージュの足置きがおいている部屋の写真

第1 はじめに

離婚は家庭における大きな変化を伴う出来事の一つであり、その際には財産分与も大きな焦点となります。特に、夫婦が共有名義で所有している住宅ローンが残っている場合、その扱いは複雑で慎重な検討が必要です。

このシリーズでは、離婚に伴う財産分与にフォーカスし、住宅ローンに関連するさまざまな疑問やリスク、注意点を掘り下げていきます。財産分与が円滑に進むための知識やステップについて解説し、トラブルを回避し、双方にとって公平な解決を見つけるお手伝いをします。

住宅ローンを抱えた離婚において、財産分与を成功させるための第一歩は、情報を正しく理解し、適切に計画することです。次回からは、具体的なケースや注意点について詳しく探求していきましょう。

第2 住宅ローンが残っている場合に確認するべきこと

離婚時に、住宅ローンが未完済の状態である場合、夫婦でしっかりと調査すべきポイントがあります。以下の項目を確認しましょう。

1. 住宅の名義について

住宅の所有者を確認するため、売買契約書や登記簿謄本(登記事項証明書)を確認しましょう。特に、住み続ける方に名義があると、将来の売却や管理がスムーズになります。共同名義になっている場合、将来のトラブルを避けるために単独名義に変更を検討しましょう。

2. ローンの契約内容について

住宅ローンの契約内容を確認するため、契約書(金銭消費賃借契約書)を調べましょう。誰が債務者で誰が連帯保証人かを確認し、適切な変更を検討しましょう。夫婦どちらかが住み続ける場合、単独債務に変更することが必要かもしれません。

3. 住宅ローンの残高と家の価値について

住宅ローンの残高は「償還表(返済予定表)」や「残高証明書」から確認できます。また、家の現在の価値を知るために、複数の不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。これらの情報は、将来の売却や住み続けるかどうかの判断に役立ちます。

4. 支払い割合について

原則として、住宅ローンの債務者が支払いますが、夫婦の共同負担として考えることもできます。また、養育費や慰謝料などとの調整を検討し、支払い割合や方法を夫婦で協議することもあります。

これらのポイントをしっかり確認し、離婚時の住宅ローンに関する問題をスムーズに解決しましょう。

第3 住宅ローンが財産分与の対象となるか

「住宅ローンは財産分与の対象となるか」とのタイトルの記載と、背景に窓辺にダブルベッドがある寝室の写真

離婚時、住宅ローンの未払い残額は夫婦共同の財産分与の対象となるのでしょうか?答えは「NO」です。具体的に説明します。

1財産分与時において、住宅ローンは財産分与の対象か

夫婦が共同で購入した住宅のローンが残っている場合、その残債は財産分与の対象とはなりません。通常、財産分与では、夫婦の共有財産を2人で均等に分けることが原則です。しかし、住宅ローンの未払い残額については別扱いとなります。

なぜなら、住宅ローンの支払い義務はその家の名義人に課されるものであり、名義人とは住宅ローン契約の際に指定された人物です。離婚後も、その家の名義人は引き続きローンの支払い義務を負い続けます。ですから、離婚によっても住宅ローンの支払い義務は変わりません。

2注意点

ただし、注意点があります。住宅ローン契約において、夫が名義人で妻が連帯保証人として記載されている場合、もし夫が支払いを怠った場合、連帯保証人である妻がその支払いを代わりに行わなければなりません。同様に、夫婦が共同名義人として住宅ローンを組んでいる場合、どちらかが支払いを怠ると、もう一方も支払い義務が生じます。このような場合、連帯保証人や連帯債務者としての責任が発生します。

要するに、住宅ローンの支払いは名義人に課され、財産分与の対象にはなりません。しかし、夫婦の契約内容や名義の設定によって、連帯保証人や連帯債務者としての責任が生じることがあるため、契約内容を確認し、離婚時のローンの取り決めに注意することが大切です。

第4 離婚後住宅に妻が住み続ける場合

離婚後、妻が住宅ローンの未払い残額をどのように扱うべきか、その検討事項を詳しく説明します。

1夫が住宅ローンをそのまま払う場合:

住宅ローン契約において、居住者の変更に関して同意が必要な場合、夫婦は銀行と協力し、夫が住宅ローンの支払いを継続する取り決めをすることがあります。しかし、夫が支払いを怠った場合、住宅が競売にかけられ、妻は追い出される可能性があるため注意が必要です。

2確実な支払いのための対処法:

(1)公正証書の作成:

住宅ローン契約や養育費、慰謝料について公正証書を作成することで、夫の支払い義務を法的に強化できます。支払いが滞る場合、給与や銀行口座の差し押さえなどの手段が取れます。

(4)一括支払い:

貯金や親族の援助を受けて、一括で住宅ローンの残額を返済する方法です。これにより、夫の滞納による問題を回避できます。

3妻が支払う:

離婚後、住宅ローンの名義を変更して、妻が支払いを続ける方法です。ただし、名義変更は容易ではなく、新しい契約が必要です。収入がある場合、住宅ローンの借り換えも検討できます。

4名義変更:

夫の名義のまま住宅を保有すると、その家は夫の財産となります。住宅ローンが残っている場合、金融機関の承諾が必要です。名義変更は、住宅ローンが完済するまで待つか、完済後に公正証書で合意する方法などが考えられます。

離婚後も妻が住宅に住み続ける場合、慎重なプランニングと法的な対策が必要です。ローンの未払い残額や名義変更について、離婚時には十分な注意を払いましょう。

第5 離婚後夫が住居に住み続ける場合

離婚後、夫名義の住宅と住宅ローンが残る場合、妻が単純に家を出て、夫が住宅ローンを支払い続けるというのは、最もシンプルな解決策です。しかし、いくつかのケースでは追加の手続きが必要です。

1妻も以前から連帯保証人や連帯債務者としてローンに関与していた場合

妻が責任から外れるためには、金融機関と別途交渉し、了承を得る必要があります。ただし、金融機関の了承を得ることは通常難しいことが多い現実もあります。

妻が連帯保証人や連帯債務者の責任から免れるためには、以下のような選択肢が考えられます:

  • 新しい連帯保証人を見つける。
  • 保証協会を利用する。
  • 一度にまとまった金額を支払う。

3住宅の評価額がローン残額より高い場合(アンダーローン)

差額を財産分与の一環として考慮する必要があります。

離婚後、夫が住宅ローンを続けるためには、妻との連帯保証や債務、財産分与に関連する検討事項があります。適切な対処方法を選び、法的な手続きを行うことが大切です。

第6 住宅を売却する場合

「住宅の売却」とのタイトルの記載と、背景に平屋建ての一軒家の写真

離婚時に、住宅ローンのある家を売却する際には、いくつかのケースや注意点を考慮する必要があります。

1アンダーローンの場合:

アンダーローンとは、家を売却する売却額が住宅ローンの残債よりも高い場合です。この場合、通常の売却手続きを進めれば、売却によって住宅ローンが完済できるため、通常通りに売却を進めることができます。残った売却金は、夫婦で財産分与として分けることになります。

2オーバーローンの場合:

オーバーローンとは、売却額が住宅ローンの残債よりも低い場合です。この場合、売却額だけでは住宅ローンの完済ができないため、住宅ローンを完済するための資金が必要です。夫婦の新しい生活を考慮し、資金調達の方法を検討する必要があります。

3連帯保証の場合:

住宅ローンは夫の名義であっても、通常は妻が連帯保証人として関与しています。アンダーローンの場合、名義人の合意によって売却が可能です。しかし、オーバーローンの場合、住宅ローンの債務が完済されていないため、離婚後も連帯保証人としての責務が続きます。夫が支払いを怠れば、妻が返済しなければならないことに留意が必要です。

4連帯債務の場合:

連帯債務は、夫妻が共同で住宅ローンを負担する場合によく見られます。アンダーローンの場合、名義人である夫婦の合意によって売却が可能です。しかし、オーバーローンの場合、売却が難しく、連帯債務者は債務を拒否できず、負担が続きます。

5ペアローンの場合:

ペアローンは、夫妻が個別に住宅ローンを組み、互いに連帯保証人となる方法です。アンダーローンの場合、スムーズに売却が進みますが、オーバーローンの場合、売却ができず、夫妻それぞれが債務者としての責務を負います。住宅ローンの完済まで注意が必要です。

離婚時には、家の売却や住宅ローンの処理について、具体的な状況に応じて検討し、法的な手続きを適切に行うことが重要です。

第7 住宅ローンが残る場合のリスク

離婚時に、住宅ローンが未完済の場合には、いくつかのリスクが考えられます。以下は、主なリスクとそれに対処する方法です。

リスク①:住宅ローンの支払い滞納 住宅ローンの残債がある場合、最も大きなリスクは支払いの滞納です。離婚後、夫が家を去り、妻と子供が住み続ける場合、夫の経済的負担が重くなり、支払いが滞る可能性があります。支払いが滞ると、住宅が競売にかけられ、妻と子供は家を失う可能性があります。このリスクを回避するために、離婚協議書を作成し、支払い責任、財産分与、親権、養育費などを明確に記録しておくことが重要です。

リスク②:約束期限内の退去 離婚後、妻や子供が一定の期限内に家を退去しない場合、名義人である夫にリスクが生じる可能性があります。期限を設定せずに、離婚協議書に家の使用権や期限を明示的に記載することで、このリスクを回避できます。

リスク③:無断の家の売却 名義人は通常、家の売却についての決定権を持っています。離婚後、非名義人の妻や子供が家に住み続けている場合、夫が無断で家を売却する可能性があります。これにより、所有権が第三者に移り、妻や子供は家を失うことになります。このリスクを回避するために、離婚協議書に夫が無断で家を売却しない旨を明示的に記載し、協議の際には家の名義を変更する方法を検討することができます。

これらのリスクに備え、離婚協議書を詳細に検討し、法的なアドバイスを受けることが、問題を未然に防ぐために重要です。

第8住宅ローンが残る場合の注意点

離婚時に住宅ローンが残っている場合、以下の注意点を押さえることが重要です。

1注意①:共有名義人の承諾が必要

夫婦が共有名義で家を所有している場合、家の売却には両方の承諾が不可欠です。どちらか1人だけの同意では売却できません。離婚時には、必ず単独の名義に変更する手続きを行いましょう。名義変更を怠ると、将来の売却や取引が困難になる可能性があります。

2注意②:住宅ローンの名義変更例外がある

通常、住宅ローンの返済途中で名義人を変更することは難しいですが、離婚後、新しい名義人が家に住む場合など、特別な例外があります。ただし、新しい名義人は現在のローン返済に対応できる収入と信用が必要です。名義変更を検討する場合、金融機関と相談しましょう。

3注意③:養育費とローン負担の調整

離婚時に養育費が発生する場合、住宅ローンの残債と養育費を同時に負担することが経済的に困難な場合があります。一部のケースでは、妻との合意に基づいて、住宅ローンの支払いを養育費として認めることができたり、ローン返済額を考慮して養育費を調整することがあります。離婚協議書にこれらの取り決めを記載しましょう。

4注意④:離婚専門家への相談

離婚後の家の処理に関しては、不動産会社に相談するだけでなく、弁護士や離婚カウンセラーなどの離婚専門家にも相談することがおすすめです。専門家のアドバイスを受けて、問題を円滑に解決し、自身の財産を保護するための最善の方法を検討しましょう。

これらの注意点を頭に入れ、離婚に向けた準備を進めることで、住宅ローンを含む財産分与に関するトラブルを最小限に抑えることができます。

第9 まとめ

財産分与と住宅ローンの扱いは、離婚における重要なテーマです。離婚に伴う住宅ローンの残債や家の名義変更など、複雑な要素が絡み合います。このコラムでは、その重要なポイントをまとめます。

まず、住宅ローンが残っている場合、次のことを考慮しましょう。

1共有名義の確認:

住宅ローン契約の名義が夫婦共有か単独かを確認します。共有名義である場合、売却や名義変更には双方の合意が必要です。

2名義変更の検討:

離婚後、家を誰が所有するかを決定し、名義変更を行う場合があります。名義変更は金融機関の承認が必要で、夫が妻に家を譲る場合、収入や信用などが考慮されます。

3住宅ローンの返済:

住宅ローンの返済責任は名義人にあります。離婚後も名義人である夫の負担となり、支払いが滞ると問題が生じます。

4離婚協議書の作成:

財産分与や住宅ローンの取り決めは離婚協議書に明示的に記載しましょう。これにより、将来的なトラブルを予防できます。

最も重要なのは、情報を正確に収集し、専門家の助言を受けることです。離婚弁護士や不動産専門家に相談し、最良の解決策を見つけるお手伝いを受けることが大切です。

離婚に伴う住宅ローンの扱いは複雑ですが、適切な対処法を選び、円滑な財産分与を実現するために努力する価値があります。不確実性やストレスを最小限に抑え、新たな人生に前向きにステップを踏み出しましょう。

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