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心の健康を読み解く!精神疾患の種類とその特徴、精神障害との関係

author:dekkun
心の健康を読み解く!精神疾患の種類とその特徴、精神障害との関係と記載されたイラスト

心の健康は私たちの日常生活に深く関わっています。しかし、「精神疾患」という言葉は時に誤解を生むことも。この記事では、精神疾患の様々な種類とその特徴、そして精神障害との関係について解き明かしていきます。正確な理解を深めることで、心の健康に対する支援や対応が変わるかもしれません。それでは、心の内面を探る旅を始めましょう。

精神疾患って何?「精神障害」とは違うの?

精神疾患とは何でしょうか?また、精神障害との違いは何なのでしょうか?精神疾患の基本的な知識と、その国内における実情について、分かりやすく解説します。

精神疾患とは

精神疾患とは、心や体に影響を及ぼす病気のことです。例えば、気分がふさぎ込む、幻覚や妄想があるなど、さまざまな症状が現れます。これは、脳の中の神経伝達物質が乱れることで起こると考えられています。よく知られている疾患には、うつ病や双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などがあります。

日本国内の状況

厚生労働省の調査によると、日本では平成29年度でおよそ420万人が精神疾患を持っているとされています。これは、日本人の約30人に1人の割合です。生涯を通じて見ると、約5人に1人がいつか精神疾患にかかると言われています。

精神疾患と精神障害の違い

「精神疾患」と「精神障害」という言葉がありますが、これらはほとんど同じ意味で使われています。この記事では、分かりやすさのために「精神疾患」という言葉を使って説明します。

精神疾患の原因って何?

精神疾患の原因はまだ完全には解明されていませんが、主に3つの要因が考えられています。

心因性:ストレスが原因

心因性の原因とは、ストレスが精神疾患を引き起こすことです。人によっては同じストレスでも病気になる人とならない人がいます。これは、その人の性格や考え方によって異なります。

内因性:遺伝的要素や体質

内因性とは、遺伝的な要素や個人の体質が関係することです。例えば、統合失調症や双極性障害は、この内因性によるものだと言われています。しかし、具体的な遺伝子などはまだ明らかになっていません。

外因性:身体の病気が影響

外因性とは、脳や内臓の疾患、外傷など、身体の病気が精神疾患を引き起こすことです。例えば、交通事故で脳に損傷を受けた場合、幻覚や記憶障害などが起こることがあります。

これらの要因は単独で起こるのではなく、さまざまに絡み合って精神疾患を引き起こすことが多いです。

精神疾患の種類とそれぞれの症状

精神疾患にはどのような種類があり、それぞれにどんな症状があるのでしょうか?うつ病、双極性障害、統合失調症など、主な精神疾患とその特徴をわかりやすく解説します。

うつ病(大うつ病性障害)

うつ病は気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、体のだるさなどが特徴の疾患です。100人に3~7人がかかると言われ、深刻な場合は自殺念慮も出ることがあります。ストレスが原因とされることが多いですが、はっきりした原因はまだわかっていません。

双極性障害(躁うつ病)

双極性障害は、気分が落ち込む抑うつ状態と、逆に気分が高まる躁状態を繰り返す疾患です。躁状態のときは本人は元気だと感じるため、発見が遅れがちです。抑うつ状態はストレスが元となることが多く、躁状態は特にきっかけがなくても起こります。

統合失調症

統合失調症は、幻覚や妄想の「陽性症状」と、感情の揺れが少なくなる「陰性症状」があります。幻覚や妄想では現実とかけ離れた思い込みが起こり、陰性症状では何もする気が起きなくなることがあります。120人に1人の割合で発症し、特に若い時期に発症することが多いです。

発達障害

発達障害は、生まれつき脳の神経伝達物質の異常により、物事の捉え方や行動に特徴が出る疾患です。診断と治療は精神科で行われ、行政からの支援を受けることが可能です。

適応障害

環境の変化に適応できず、抑うつや不安感などの症状が表れるのが適応障害です。ストレスの原因から3ヶ月以内に症状が出ることが特徴です。

その他の精神疾患

これ以外にも「不安障害」「依存症」「解離症」など様々な精神疾患があります。

不安障害

日常生活に影響を及ぼすほどの過度な不安や心配が特徴で、社交不安障害やパニック障害などがあります。

依存症

アルコールや薬物、ギャンブルなどに過度に依存する状態を指し、日常生活や健康に悪影響を及ぼします。

解離症

現実の感覚が一時的に変わったり、自分自身が分断されたように感じることがあります。これには、解離性アイデンティティ障害や解離性遁走などが含まれます。

これらの疾患は、生活や人間関係に深刻な影響を及ぼすことがあり、適切な治療やサポートが必要です。

精神疾患の治療方法ってどんなもの?

精神疾患の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか?薬物療法や精神療法(心理療法)の基本と、それらがどのように組み合わせられて効果を発揮するのかを、分かりやすく解説します。

薬物療法

精神疾患の治療には、まず「薬物療法」があります。これは、脳内の化学物質に作用して、気分や行動に影響を与える薬を使います。使われる主な薬には、以下のような種類があります。

抗精神病薬

抗精神病薬は、統合失調症の治療に一般的に使用されます。これらの薬は、幻覚や妄想などの症状を軽減するために作用します。脳内の特定の化学物質(主にドーパミン)の活動を調整することで、患者さんの思考や知覚に影響を与えます。

抗不安薬

不安感やパニック攻撃を軽減する効果がある薬です。これらは、過剰な神経活動を抑えてリラックスさせることにより、不安症状を和らげます。うつ病の治療にも用いられることがあります。

抗うつ薬

うつ病や他の気分障害の治療に用いられます。これらの薬は、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質の動きを高めることで、抑うつ状態を改善します。

気分安定薬

双極性障害(躁うつ病)の患者に用いられ、気分の波を安定させる効果があります。この薬は、過度に高揚した気分や沈んだ気分の変動を抑え、患者さんの精神状態を安定させることを目的としています。

睡眠薬

精神疾患で不眠を伴う場合に使用されます。睡眠薬には催眠効果があり、睡眠を促進することで、不眠によるストレスや疲労を軽減します。

薬物療法には主治医との相談が重要です。不安な点があれば、医師に相談しましょう。

精神療法(心理療法)

次に、「精神療法」(または心理療法)という治療法があります。これは、患者さんの考え方や感じ方に焦点を当て、自己理解や対人関係を改善する方法です。カウンセリングや認知行動療法などが含まれます。

認知行動療法ってどんな治療?

認知行動療法は、心の悩みが特定の考え方や行動によって起こっていると考え、それを変えることを目指します。例えば、「自分は何をやってもダメだ」といったネガティブな考えを、もっとポジティブで現実的なものに変えることで、気持ちが楽になります。うつ病や不安を感じやすい人に特に効果的です。

集団精神療法とは?

集団精神療法では、いくつかのグループに分かれて、みんなで自分の感じていることや経験を話し合います。他の人の話を聞いたり、自分の話を他の人に聞いてもらったりすることで、新しい気づきを得たり、人との関わり方を学んだりします。孤独感を減らしたり、人間関係のスキルを上げたりするのに役立ちます。

これらの治療法は、薬物療法と組み合わせることで、より効果的になることが多いです。

精神疾患と生活、利用できるサポート制度とは?

精神疾患のある方が日常生活で利用できるさまざまな支援制度にはどのようなものがあるのでしょうか?医療費の軽減から生活サポートまで、精神疾患を持つ方々に役立つ制度を分かりやすく紹介します。

自立支援医療(精神通院医療)制度

精神疾患の治療は長期にわたることが多いです。そんなとき、医療費を助成するのが自立支援医療制度です。この制度を利用すると、医療費が通常の3割負担から1割に軽減されます。診察代や薬代、訪問看護、精神科デイケアなどが対象になります。

傷病手当金

傷病手当金は、病気やけがで働けないときに支給される制度です。3日以上休むと、4日目から支給が始まります。支給額は標準報酬日額の6割で、最大1年6ヶ月まで受け取ることができます。

障害年金

障害年金は、病気やけがで一定以上の障害が認められた場合に受けられます。ただし、加入期間や病気の診断からの経過期間など、いくつかの要件があります。

精神障害者保健福祉手帳

精神疾患のある方は、「精神障害者保健福祉手帳」の取得が可能です。この手帳を持つと、福祉サービスの利用や特定の求人への応募が可能になります。発達障害のある方も同様です。

精神科デイケア

精神科デイケアは、精神疾患を持つ方が社会参加や就職を目指して活動する場です。運動や文化活動、就職支援プログラム、対人関係のトレーニングなど、さまざまなプログラムが提供されています。

精神疾患を持つ方のための職場サポート制度

精神疾患を持つ方々が仕事を探す際に利用できる支援制度は何があるのでしょうか?ハローワークの障害者求人から地域障害者職業センター、就労移行支援まで、職場でのサポートを提供する制度を分かりやすく紹介します。

ハローワークでの就職支援

精神疾患を持つ方が働く場合、ハローワークで障害者専用の求人を探すことができます。障害者専用の窓口があり、求人選びや面接の準備など、職員が一緒にサポートしてくれます。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、就職に向けての訓練や講習を受けることができます。また、リハビリテーション計画の作成や職業適性検査など、働くためのさまざまなサポートを受けることが可能です。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す精神疾患のある方向けのサービスです。ここでは、職業トレーニングや自己分析、企業インターン、面接対策など、就職活動のサポートを受けることができます。また、就職後の定着支援も提供されています。

精神疾患の悩みを解決!よくある質問と答え

精神疾患に直面すると多くの疑問や悩みが生じます。この記事では、精神疾患に関するよくある質問に対する明確で実用的な答えを提供し、心の健康への理解と対処法を探ります。

甘えだと思ってしまう

精神疾患は外から見えにくいため、「自分は甘えているのでは」と感じることがあります。しかし、実際には脳内の化学物質のバランスの乱れなど、見えない原因があります。適切な治療と休養が回復への近道です。

薬の副作用が心配

精神疾患の薬には副作用があることもあり、不安に感じることがあります。副作用が出た場合は、自己判断で薬を止めるのではなく、医師に相談しましょう。適切な服用が重要です。

生命保険には加入できるの?

精神疾患があると生命保険への加入が気になることも。すべての保険に加入できないわけではありません。引受基準緩和型保険や無選択型保険など、選択肢は存在します。

精神疾患は遺伝するの?

「精神疾患が家族にあると自分や子どもにも影響するのでは」という不安はよくあります。遺伝的要因もありますが、環境や個人の経験も大きく影響します。遺伝は一つの要因にすぎません。

以前のように仕事ができるの?

精神疾患で退職した後、以前のように働けるか心配な方もいます。リワークプログラムや就労移行支援を利用して、復職の準備や自分に合った働き方を見つけることが可能です。

精神疾患や発達障害を持つ方の職場復帰事例

精神疾患や発達障害を持つ方が職場に復帰するためのサポートはどのようなものがあるのでしょうか?専門的な支援を受けて職場復帰に成功した事例を紹介し、仕事への道を探るヒントを提供します。

精神疾患を乗り越えた職場復帰

精神疾患を持つ方が再就職する過程では、専門的な支援が大きな役割を果たします。例えば、統合失調症で退職した方が、症状が安定してから精神科デイケアや就労移行支援事業所を利用しました。こうした支援を受けることで、一対一のコミュニケーションが多い、自分のペースで仕事ができる環境での再就職が可能になり、安定して働き続けることができました。

発達障害を持つ方の就職サポート

発達障害のある方が職場に復帰する際も、就労移行支援事業所が重要な役割を果たします。この場で、コミュニケーションの取り方や仕事の進め方など、職場での生活に必要なスキルを学ぶことができます。このサポートを受けた結果、ルーチンワークが中心で、個々のニーズに合わせた支援を受けられる職場に就職し、職場での生活に慣れることができました。

まとめ

それぞれの疾患や障害には独自の特徴があり、個別のアプローチが必要です。正しい知識を持つことで、当事者やその周囲の人々へのより良いサポートに繋がります。心の健康は、私たち全員にとって重要なテーマです。このコラムが、それぞれの理解を深め、支援への一歩になれば幸いです。

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