親が亡くなった後、障がいを持つ子どもの生活費について心配される方も多いことでしょう。しかし、必要以上の負担をかけることなく、公的な支援制度や手当を活用することで、子どもの安定した生活を維持することが可能です。この記事では、「親なきあと」における障がいをもつ子どもの生活費に関するポイントを解説します。
子どもの暮らしに必要な資金について
親が亡くなった後、障がいを持つ子どもの生活について心配される方も多いかと思いますが、必要以上の資金を準備する必要はありません。実際には、適切なサポートや制度を活用することで、子どもの生活を安定させることができます。
もらえる年金や手当
例えば、20歳前後に障がいを負った場合、障害基礎年金や特別障害者手当などの給付が受けられる可能性があります。また、障がいに応じて就労も考えられる場合もあります。
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施設などでの生活費
生活費についても、障がい者支援施設に入所している場合、不足分は補足給付として施設に支給されます。さらに、障がいを持つ人自身には、手元に残る2万5千円の給付もあります。ただし、グループホームなどの場合は家賃や食費、光熱費などの負担が発生することも考慮しなければなりません。
持ち家などで生活している場合
もし親が所有していた家に住む場合、公的な支援はないため、固定資産税や家の修繕費などの費用の準備が必要になります。
重要なのは、適切な制度やサポートを活用し、子どもの生活を支えるために必要な資金や手続きについて正しく把握することです。専門家や地域の福祉団体と連携しながら、子どもの幸せな未来を見据えて進んでいきましょう。
生活費に関わる国民健康保険料と介護保険料の注意点
親が亡くなった後、障がいを持つ子どもの生活において、国民健康保険料や介護保険料の負担があります。しかし、適用される条件や軽減措置について知っておくことで、負担を軽減することができます。
国民健康保険料
国民健康保険料については、収入が少ない世帯では保険料の均等割額が軽減される場合があります。具体的な収入や家族構成によって異なるため、詳細な情報は地域の保険事務所や役所で確認することが大切です。
国民保険料の減額
世帯主と世帯に属する被保険者の前年の所得の合計が下記表の所得基準以下の場合、7割・5割・2割のいずれかに軽減されます。
所得基準 | 減額割合 |
---|---|
33万円以下 | 7割 |
33万円+(加入者数×28万5000円)以下 | 5割 |
33万円+(加入者数×52万円)以下 | 2割 |
注意点
- 所得が低い場合は自動的に適用されますが、前年度の所得を申告している必要があります
- 障害年金を受給していたり、障害者手帳を所持しているからといって免除されるようなことはありません
介護保険料
介護保険料については、障害者支援施設や療養介護を提供する病院などでは、介護保険適用外の施設となることがあります。その場合、届出手続きを行えば入所者は介護保険料の納付義務が免除されます。入所先の施設や関係機関に相談し、手続きの方法を確認しましょう。
生活保護を受給について
もし子どもの生活が最低限の条件を満たせない場合、生活保護を受けることも選択肢の一つです。生活保護については、地域の福祉事務所などで手続きを行うことができます。施設や関係者のサポートを受けながら、必要な手続きを進めることが重要です。
親が高齢になる前に、子どもの将来について相談できる施設や専門家との関係を築くことも大切です。早めの準備と情報収集を行うことで、子どもの安定した生活を実現するための道筋を描くことができます。
まとめ
親が亡くなった後も、障がいをもつ子どもが適切な生活を送るための支援制度や手当があります。国民健康保険料や介護保険料、生活保護など、さまざまな制度がありますので、自分や子どもの状況に合わせて利用することが大切です。また、早めの準備と専門家の助言を受けることも重要です。子どもの将来に寄り添いながら、適切なサポートを受けることで、子どもが豊かな生活を送ることができるでしょう。