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「ゲーム依存」と向き合う、子どもへの理解と親の支援

author:dekkun
「ゲーム依存」と向き合う、子どもへの理解と親の支援と記載されたイラスト

子どもたちが今や「ゲームの虜」になる現象、ゲーム依存症。その奥深い原因や子どもたちを取り巻く状況には、理解が求められます。このコラムでは、子どもがストレスによってゲーム依存に陥る可能性と、親がそのサイクルを断ち切るためにできる5つのポイントについて、詳しく探っていきましょう。

子どものゲーム依存とは?どのような状態なのか理解しよう

ゲーム依存症が子どもたちに与える影響を理解し、どのような状態なのかを見ていきましょう。神奈川県立精神医療センターの専門外来によると、ゲーム依存症は以下のように説明されています。

神奈川県立精神医療センターの専門外来
ゲーム依存症とは、“ゲームやインターネットに時間を費やすことが増え、食事や睡眠を怠るようになり、他の活動への興味を失ってしまう状態です。”
引用:神奈川県立精神医療センター「インターネット・ゲーム依存症とは」

子供が学業に集中せず、ゲームばかりの日々が続く場合、ゲーム依存症の可能性が高まります。さらに、久里浜医療センターのネット依存専門外来は、ゲーム依存症の脳の変化について以下のように説明しています。

久里浜医療センターのネット依存専門外来
健常者と比べて、ゲーム依存症の脳では灰白質の体積が小さくなっており、過剰なゲームプレイによって脳が萎縮する可能性が考えられます。
引用:久里浜医療センター「ゲーム・ネット依存の現状と今後の課題」

このような脳の変化が見られるゲーム依存症の患者数は増加しており、専門外来を設ける病院も増えています。

子どものゲーム依存が社会的な懸念となっています

子どものゲーム依存は今や、社会的な問題として深刻に取り上げられています。厚生労働省の調査によると、次のような事実が浮き彫りになっています。

中学・高校生のネット依存が疑われる者の割合の変化
推計値: 2012年 – 52万人 → 2017年 – 93万人
引用:久里浜医療センター「ゲーム・ネット依存の現状と今後の課題」

2012年から2017年の間に、若者のネット依存が疑われる割合は2倍以上に増加しました。スマートフォンやタブレット端末の普及、さらにはコロナ禍による在宅時間の増加が、子どものゲーム依存を助長しています。

ゲーム依存は日常生活だけでなく、家族や友人関係にも悪影響を及ぼします。子どものゲーム依存が疑われる場合は、早めに対策を講じることが肝心です。

ゲーム依存症の子どもたちのストレスの根源とは?

ゲーム依存症になりがちな子どもたちが抱えるストレスの原因について、詳しくご紹介します。それぞれの要因について、わかりやすく説明していきます。

子どもたちのゲーム依存症のストレスの源

コミュニケーションの困難さと学校適応の難しさ

子どもたちのゲーム依存症に関連する一つの要因は、コミュニケーションの苦手さと学校での適応に対する困難さです。自分の気持ちや意思を伝えることが難しい子どもたちは、周囲との交流が難しく、ストレスを感じやすくなります。

学校での友人や教師とのコミュニケーションが上手くいかないため、子どもたちは次第に周囲から孤立し、学校に行くことが難しくなることがあります。

ゲーム内ではコミュニケーションが比較的簡単に取れるため、孤立感を感じにくくなります。このため、子どもたちはゲーム内での交流が楽しく、その世界から抜け出すことが難しくなるのです。

家庭環境の影響と部屋への避 refuge

家庭環境は子どもたちに大きな影響を及ぼします。ゲーム依存症になりやすい子どもたちは、家庭内で問題を抱えているケースが多いです。

親の関係が悪化しているか、暴力的な家庭環境の場合、子どもたちは自分を閉じ込めてしまいます。怒られるかもしれない、嫌な思いをするかもしれないといったストレスから、親との接触を避けるようになります。

子どもたちは家族との接触を避けるために部屋にこもり、ゲーム内でしか自分の場所を見つけられなくなります。ゲームは孤独感や寂しさを紛らわせる手段となり、次第にその世界に没頭していくことがあります。

現実世界での問題への直面

ゲーム依存症の子どもたちは、現実世界で様々な問題に直面している可能性があります。友人や教師との関係、いじめ、家庭環境など、問題は多岐にわたります。

特に学校での問題に直面している場合、子どもたちは親に打ち明けることが難しいこともあります。その結果、子どもたちは問題を一人で抱え込みがちになります。

現実世界のストレスを忘れさせてくれるゲームの世界は、子どもたちにとって安らぎの場となります。現実の問題から逃れる手段として、ゲームに没頭することが増えていくのです。

孤立や寂しさからくる心のストレス

孤立や寂しさも、子どもたちのゲーム依存症に影響を与えるストレスの一つです。ゲーム依存症は、心理的な側面とも深く関わりがあります。

共働きの家庭では、子どもたちとの時間が限られてしまうことがあります。親が忙しくて子どもたちとコミュニケーションを取る機会が減ると、子どもたちは孤独感を感じやすくなります。

また、年齢の離れた兄弟がいる場合、下の子の世話に時間を取られることがあります。上の子たちは「誰も私のことを見てくれない」と感じ、孤独を感じることもあるでしょう。子どもたちは孤独や寂しさを埋めるためにゲームに走り、次第にその依存が強まっていくのです。

ゲーム依存症と発達グレーゾーン・発達障害のつながり

ゲーム依存症と発達グレーゾーン・発達障害の関係性について解説します。

発達グレーゾーンとゲーム依存症の境界線

発達グレーゾーンは、子どもたちが適切な社会的スキルやコミュニケーション能力を獲得する段階です。ゲームが子供たちの強い関心を引く一方で、発達グレーゾーンにいる子どもたちがゲームに没頭しやすいと言えます。親が適切なバランスを保つことで、ゲームが日常生活において健全な選択肢の一つであることを示すことが重要です。

発達障害とゲーム依存症の類似点と違い

一部の発達障害の子どもたちは、ゲーム依存症の兆候を示すことがあります。注意欠陥多動性障害(ADHD)のような発達障害は、ゲームへの興味を引かれやすい傾向があります。このような場合、ゲーム依存症と発達障害の特徴が絡み合う可能性があります。専門家の助言を得ながら、子どもたちの行動を理解し、適切なサポートを提供することが大切です。

ゲームが発達グレーゾーン・発達障害の影響をどう受けるか

ゲームは、発達グレーゾーンや発達障害の子どもたちにどのような影響を与えるのでしょうか。一部の子どもたちはゲームに没頭し、他の社会的な経験を十分に得ることが難しくなることがあります。一方で、ゲームを通じて興味を持つことで、新しいスキルや知識を身につけることもあります。親は子どもたちの傾向を把握し、健全なゲーム利用の指針を提供することで、ゲームが発達に与える影響を調整できます。

ゲーム依存症予防のための発達サポート

ゲーム依存症の予防には、発達グレーゾーン・発達障害の子どもたちへの適切なサポートが欠かせません。親は子どもたちの興味や特性を理解し、代替的な活動や社会的な経験を提供することで、ゲームへの依存を防ぐ一助となります。専門家のアドバイスを受けながら、子どもたちの健全な発達を促進する方法を模索しましょう。

ゲーム依存症、発達グレーゾーン、発達障害の関係性は複雑ですが、適切な理解とサポートを通じて、子どもたちが健全に成長するための道を切り拓くことができます。

ゲーム依存症でお困りの親御さんへ、子どものための5つの支援方法

ゲーム依存症やその疑いのあるお子様をお持ちの親御さんに向けて、子どものサポート方法についてご案内いたします。お子様のストレス軽減や健全な遊び方の促進に向けてのアプローチを、詳しく説明してまいります。

子どもの健全なゲーム利用をサポートするコツ

子どもと一緒にルールを作って共有しましょう

ゲームのルールはお子様と一緒に合意形成することが大切です。親が単独でルールを決定するのではなく、お子様自身が納得する形で進めることが重要です。適切なルールを策定し、それを守る姿勢を育むことがポイントです。ルールを書いて目につく場所に掲示することで、共有感を高められます。

子どものストレス要因に向き合いましょう

ゲーム依存症を未然に防ぐために、お子様が抱えるストレスの根本原因を理解することが重要です。ゲームへの没頭が楽しさだけでなく、別の課題を抱えている場合もあります。学校生活や友人関係のトラブルに気づけないこともあるかもしれません。お子様の立場や感情に寄り添いながら、共に解決策を模索しましょう。

多彩な楽しみを提供しましょう

ゲーム以外の楽しみを提供することで、お子様の興味を広げることができます。お子様が別の活動に熱中できるような機会を見つけてみましょう。公園で遊ぶ、一緒にスポーツを楽しむなど、体を動かすことはストレス発散に効果的です。また、イベントや家族旅行を通じて、楽しいひとときを共有し、新たな刺激を得ることも大切です。

子どもを前向きに評価しましょう

お子様を褒めることは、ゲーム依存症の予防に有効です。ゲーム依存症のお子様は、自己評価が低い傾向があります。絶えず否定的な注目を浴びることで、自己肯定感が揺らぎます。肯定的な注目を通じて、お子様の成果や良い行動を称賛することで、自己肯定感を高めましょう。

必要に応じて専門家の支援を受けることを考えましょう

親御さんの対応が及ばない場合は、専門家の援助を検討してみることも一つの選択肢です。医療機関での治療やカウンセリングなどが考えられます。お子様の状態を専門家に診てもらい、適切なアプローチを受けることが大切です。深刻な状態になる前に、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。

お子様のゲーム依存症への対応は、親御さんとしての大きな責任です。お子様の健やかな成長を支えるために、柔軟なアプローチでお手伝いしていきましょう。

まとめ

大切な我が子のために、ゲーム依存症と向き合うことは決して容易ではありません。しかし、理解とサポートが子どもの健やかな成長を築く一歩となります。ゲームとの関わり方を見つめ直し、子どもの心と向き合う親の努力は、輝かしい未来への第一歩です。子どもたちのために、今からできることを共に考えていきましょう。

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