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親亡き後の安心ガイド:死後事務委任のステップ

author:dekkun
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身近な人が亡くなると、遺族には悲しみと同時にさまざまな手続きや準備が求められます。知的・精神障害者の親が亡くなった場合、その後の手続きや事務についても考える必要があります。しかし、そうした状況下では情報が錯綜し、法的手続きや遺産整理が大きな負担となることも。そこでこのコラムでは、知的・精神障害者の親亡き後に関するステップと、死後事務委任契約の役割について解説します。その過程で、弁護士の支援がどのようなメリットをもたらすかも探ってみましょう。

知的・精神障害者の親なきあとの準備:死後事務委任契約について

知的・精神障害者の親亡き後の遺産整理や葬儀、火葬、埋葬などの事務について考えたことはありますか? 親が亡くなった際、障害者の親亡き後の事務整理が重要ですが、このテーマはあまり注目されていません。しかし、家族の状況によっては、障害者の親や家族の死後事務も適切に準備することが重要です。この記事では、知的・精神障害者の親亡き後における死後事務委任契約の重要性について解説します。

人の死後の手続き:葬儀から埋葬までの流れ

人の死後の手続きについて、以下で詳しく説明します。

病院で亡くなった場合

人が亡くなってから、埋葬されるまでの基本的な流れを、病院で亡くなった場合を前提に紹介します。

病院など医療機関で亡くなった場合
病院からの遺体の搬送
死亡届・火葬埋葬の許可申請
通夜・告別式
火葬
埋葬
通夜・告別式(3)を省略して直葬にする場合もあります。通夜・告別式は費用がかかるため、選択肢として考えることもあります。

遺体の搬送

遺体の搬送は葬儀会社が行います。遺体搬送費用は数万円程度で、葬儀会社選びは病院からのリストや事前に契約している葬儀会社を通じて行われます。遺体を自宅に搬送できない場合は、霊安室の使用料も発生することがあります。

死亡届の提出と届出義務者

届出義務者の範囲

亡くなった際には、7日以内に同居の親族や同居者、家主などが死亡届を提出しなければなりません。届出義務者には、以下の人々が含まれます。

  1. 同居の親族
  2. その他の同居者
  3. 家主、地主、家屋の管理人、土地の管理人
    同居していない親族や同居者でも、死亡届を提出できる場合があります。病院や賃貸アパートの場合、関係者も死亡届を提出する可能性があります。

その他の届出可能な人々

死亡届の届出義務者以外でも、届出を行うことができる人がいます。これには以下が含まれます。

  1. 同居の親族以外の親族
  2. 後見人、保佐人、補助人、任意後見人
  3. 任意後見受任者
    親族であれば、同居していなくても死亡届を提出できます。成年後見制度を利用していた場合、成年後見人も死亡届を提出できます。任意後見受任者は、本人が亡くなっても死亡届を提出できる立場にあります。

死亡届出と火葬・埋葬許可の申請

葬儀会社が死亡届を提出し、火葬と埋葬の許可申請も行います。これらの手続きは葬儀費用に含まれることが一般的です。

通夜・告別式の手配

通夜・告別式は、喪主が葬儀会社と協力して手配します。宗教に基づく葬儀や直葬、通夜・告別式などの選択肢があります。通夜・告別式の費用は、内容によって異なり、直葬の場合は20〜30万円程度、通夜・告別式を行う場合は50万円以上かかることがあります。

火葬と埋葬

火葬と埋葬は、市町村長からの許可が必要です。火葬の許可申請は葬儀会社が行い、遺体を火葬場に運ぶことも葬儀会社が手配します。火葬後の遺骨の保管についても考慮する必要があります。埋葬の場合も同様に行い、死亡届を提出した人が手配します。遺体をお墓に納骨するか、共同墓地などに埋葬するかによって、埋葬の方法が異なります。

葬儀の取り仕切り

死亡届を提出できる人が葬儀関連の手配を行うことが効率的です。こうした流れを踏まえて、知的・精神障害者の親亡き後の対策を考えることが重要です。

障害者の葬儀手続き:誰に依頼するべきか?

障害者のケース:支援者の存在

知的障害や精神障害を抱える人々の葬儀手続きは、誰に依頼すべきでしょうか? 特に一人っ子の障害者の親が亡くなった場合、気になる問題です。しかし、きょうだいや親族がいるにせよ、障害者の親よりも先に亡くなる可能性もあるため、葬儀手続きを適切に準備するための手配が必要です。障害者支援施設やグループホームで暮らしている場合、その運営者が死亡届を提出できる場合もあります。一人暮らしの障害者の場合は、成年後見人や保佐人、補助人、任意後見人に頼むことになるでしょう。障害者が亡くなった際には、死亡届を提出できる人を選定することは難しくないと考えられます。

葬儀費用の準備に注意

ただし、葬儀関連の費用については、死亡届を提出する人が、亡くなった本人の財産を勝手に使用することはできません。成年後見人は、法的許可を得れば、火葬や埋葬にかかる費用を本人の財産から支出できますが、その他の人々にはその権限はありません。成年後見人であっても、通夜・告別式の費用や宗教儀式のための支出には制約があります。従って、障害者の親や家族が葬儀関連の費用をまかなう場合、事前に支払いを済ませておくことが重要です。

親の場合:親族または任意後見受託者

例えば、一人っ子の重度の障害者が親を亡くした場合、法的には死亡届を提出することができます。しかし、成年後見人がいない場合、葬儀会社に依頼することは難しいでしょう。そのため、親の葬儀関連の手配をする人を選定することが必要です。ただし、死別または離別により親がいない場合、死亡届を提出できる人が限られてしまいます。また、親族であっても、葬儀関連の費用を自己負担する必要がある可能性があります。親の死後の手続きを誰かに依頼する場合、信頼できる人と任意後見契約と死後事務委任契約を締結する方法もあります。任意後見受任者は、死後事務委任契約に基づいて葬儀手続きを担当し、予想される費用と報酬を受け取ります。親族との死後事務委任契約を検討する場合は、任意後見契約も同時に検討することをおすすめします。

弁護士へ依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。

専門的な知識と経験

弁護士は法律に関する専門的な知識と経験を持っており、遺産整理や死後の手続きに関する複雑な問題に対処するのに役立ちます。遺言書や遺産分割などの法的手続きを適切に進めるための専門知識を提供してくれます。

アドバイスとガイダンス

弁護士は、法的な観点から遺族の権利や義務を説明し、最善の選択肢を提案します。遺族がどのような選択肢を持ち、どのような手続きを進めるべきかを理解するのに役立ちます。

法的文書作成

弁護士は、遺言書や死後の手続きに関する文書を適切に作成し、法的要件を満たすように支援します。これによって、文書の正確性と法的有効性が確保されます。

紛争解決

遺産分割や遺産相続に関する紛争が発生する可能性がある場合、弁護士は交渉や仲裁を通じて紛争を解決するお手伝いをします。法的な専門知識を活用して、公平な解決策を見つける助けとなります。

ストレス軽減

親の死後には感情的な負担があり、その中で法的手続きを進めることは難しいことかもしれません。弁護士に依頼することで、法的手続きや書類作成などの負担を軽減し、遺族が心の整理に専念できる環境を提供します。

適切なタイミングと手続き

弁護士は、遺族が適切なタイミングで必要な手続きを行うためのサポートを提供します。遅延や誤った手続きを防ぎ、スムーズなプロセスを確保します。

知的・精神障害者の親亡き後の状況は個々に異なるため、弁護士が具体的な状況に合わせてカスタマイズされたアドバイスと支援を提供できることは非常に重要です。弁護士に依頼することで、遺族は法的な側面をしっかりとサポートされながら、適切な準備を進めることができます。

まとめ

知的・精神障害者の親亡き後には、感情的な面と法的な手続きの両方に対処しなければならない厳しい時が訪れます。しかし、正しい情報と適切なサポートを得ることで、その重荷を軽減することができます。死後事務委任契約と弁護士のアドバイスが、遺族の心の整理とスムーズな手続きの両面で大いなる助けとなることでしょう。知的・精神障害者の親亡き後の備えについて、このコラムを通じて具体的なステップを理解し、安心して対処するための道しるべを手に入れましょう。

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