ひとり親家庭の子どもたちにとって、高校を卒業していないことは将来の進路に影響を与えることがあります。しかし、そんな子どもたちが学び直しをする機会を得るための支援制度があります。「高等学校卒業程度認定試験合格支援事業」は、ひとり親家庭の子どもたちが高卒認定試験に合格するための講座を受講し、その費用の一部が支給される制度です。このコラムでは、支援内容や対象者、利用までの流れなどについて詳しく解説します。
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
高等学校卒業程度認定試験合格支援事業とは、ひとり親家庭の学び直しをサポートする制度です。この制度を利用することで、ひとり親家庭の親または子どもが高卒認定試験に合格するための講座を受けることができます。さらに、講座修了や試験合格時には受講費用の一部が支給されます。ただし、一部の都道府県ではこの制度が設けられていないため、その地域では利用することができません。この支援事業を通じて、より良い就職や転職の機会を得ることができ、正規雇用の道を拓くことが目指されています。
対象者
対象者は、ひとり親家庭の親と児童であり、以下の条件をすべて満たす必要があります。ただし、高校卒業など大学入学資格を既に取得している場合は対象外となります。
- ひとり親家庭の親が児童扶養手当を受給しているか、同等の所得水準にあること。ただし、特定の法律による規定は適用されません。
- 支給を受けようとする人が、学び直すことが適職に就くために必要であると判断される場合、修学経験、就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場などを考慮します。
対象講座
対象となる講座は、高卒認定試験の合格を目指す講座です(通信制講座も含まれます)。具体的な講座は、実施主体が適切と認められるものとされています。 ただし、高卒認定試験の試験科目の免除を受けるために高等学校に在籍し、単位を修得する講座は、高等学校等就学支援金制度の対象となる場合、この支援事業の対象外となります。
支援内容
支給内容は以下の通りです。
- 受講開始時給付金: 受講費用の3割(上限7万5,000円)
- 受講修了時給付金: 受講費用の1割(受講開始時給付金と合わせて上限10万円)
- 合格時給付金: 受講費用の2割(受講開始時給付金と受講修了時給付金と合わせて上限15万円)※ ※合格時給付金は、受講修了日から2年以内に高卒認定試験に全科目合格した場合に支給されます。
経過措置
なお、以下の経過措置があります。
- 令和2年3月31日までに修了した講座に関しては、受講修了時給付金は受講費用の2割(上限10万円)、合格時給付金は受講費用の4割(受講修了時給付金と合わせて上限15万円)となります。
- 令和2年4月1日から令和4年3月31日までに修了した講座に関しては、受講修了時給付金は受講費用の4割(上限10万円)、合格時給付金は受講費用の2割(受講修了時給付金と合わせて上限15万円)となります。
利用までの流れ
申請先
事業を行っている市区町村の子ども担当窓口又は福祉事務所
提出書類
申請する行政の指定する申請書(受講前の指定申請及び受講後の支給申請)
添付書類
- 戸籍胯本又は抄本
- 世帯全員の住民票の写し
- 児童扶養手当証書の写し又は所得証明書
- 受講対象講座指定通知書
- 講座受講終了証明書
- 教育訓練施設の長が発行した、教育訓練経費の領収書
- 合格証書
- 納税証明書
- 暴力団排除に関する誓約書
※自治体により異なる場合があります。
関連法令等
ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の実施について(平27・4・10雇児発0410第5)、ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の円滑な運営について(平27・4・10雇児福発0410第2)
申請先 | 事業を行っている市区町村の子ども担当窓口又は福祉事務所 |
提出書類 | 申請する行政の指定する申請書(受講前の指定申請及び受講後の支給申請) |
添付書類 | ・戸籍胯本又は抄本 ・世帯全員の住民票の写し ・児童扶養手当証書の写し又は所得証明書 ・受講対象講座指定通知書 ・講座受講終了証明書 ・教育訓練施設の長が発行した、教育訓練経費の領収書 ・合格証書 ・納税証明書 ・暴力団排除に関する誓約書 ※自治体により異なる場合があります。 |
関連法令等 | ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の実施について(平27・4・10雇児発0410第5)、ひとり親家庭高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の円滑な運営について(平27・4・10雇児福発0410第2) |
まとめ
アウトロ: 高校を卒業していないひとり親家庭の子どもたちにとって、学び直しをすることは将来の可能性を広げる重要なステップです。高等学校卒業程度認定試験合格支援事業は、その一翼を担う制度として存在しています。ひとり親家庭の方々は、この制度を利用して学びの道を再び歩むことができます。是非、この支援制度を活用して、新たな学びのチャンスを掴んでください。未来への一歩を踏み出すためのサポートが待っています!